「飯だけ食わせとけばいい」という発想は、やはりどこかで人間関係の本質を見落としてしまっている気がする。
もちろん、食事を用意することは大切だし、生活の基盤として欠かせない。でも、それだけで関係が成り立つかと言えば、答えは違う。人は“満腹”だけでは満たされない生き物だ。
たとえば、日々のスキンシップや、ちょっとした言葉のやりとり、相手を気にかける視線や態度。そういった小さな積み重ねが、「一緒にいる意味」や「この人と過ごしている安心感」を作っていく。
もし本当に“飯だけ”でいい関係なら、極端な話、毎日弁当を買って帰るだけでも成立してしまうかもしれない。でもそれは、ただの栄養の補給であって、関係の維持とは少し違う。
結局のところ、人と人が共にいるというのは、栄養補給以上のものをやりとりしている。そこに気持ちや温度がなければ、関係は静かに乾いていくのだと思う。